医療過誤事件の高度な専門性
当事務所弁護士は，弁護士会及び法テラスの医療過誤専門法律相談員を勤めており，継続的に医療過誤事件を取り扱っています。
医療過誤事件は，民事においては，交通事故等の他の損害賠償事件と同様に，不法行為責任ないし債務不履行責任に基づく損害賠償責任の有無という形で争われます。
よって，医療過誤よる損害賠償請求権の有無は，当該医療行為に誤りがあったか否か（注意義務違反の有無），その誤った医療行為のためにその損害が生じたといえるか否か（因果関係）をを検討し，これらが認められる場合に，誤った医療行為と相当因果関係のある損害及び損害額はいくらかを検討することによって判断されます。
医療過誤事件が，高度に専門的な事件といわれるのは，主として，注意義務違反の主張，立証の困難性にあります。
裁判において，医師の注意義務が認められるためには，注意義務の具体的内容（医師のいつの時点の医療行為に対し，いかなる注意義務が課せられていたのか），及び，注意義務違反の具体的態様（医師のどの行為が，注意義務に違反したのか）を主張立証しなければなりません。
そして，注意義務の具体的内容の基準となるのは，医療行為当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準であって，さらに当該医療機関の性格，所在地域の医療環境の特殊性等の諸般の事情も考慮されます。
そのため，医療過誤事件において，医師の注意義務違反を主張，立証するためには，極めて多岐にわたる医学的知見を明らかにする必要があり，医学に関する専門知識及び労力を必要とするのです。
医療行為に誤りがあるのではないかという方は，早いうちに，医療過誤事件に明るい弁護士に相談することをおすすめします。
