民事控訴審の審理等の実情(特徴的傾向)

民事控訴事件の審理の実情(特徴的傾向)民事控訴審(全国8高等裁判所)における民事控訴事件の審理の実情を 統計的に概観すると,次のような特徴的傾向が見られます。

民事控訴事件の新受事件の種類別の特徴

新受事件のうち,種類別の上位3位は,金銭請求訴訟(含,損害賠償請求)65%,不動産訴訟16%,人事訴訟11%であり,この三訴訟で全体の92%を占めています。

民事控訴事件の口頭弁論実施回数の特徴

既済事件のうち,口頭弁論実施回数の上位3位は,1回67%,2回20%,3回7%で,1回から3回までで実に94%を占めています。

民事控訴事件の証拠調べの特徴

既済事件のうち,証拠調べとして,人証(証人又は当事者尋問)調べが実施されたのは,僅かに6%です。

民事控訴事件の審理期間の特徴

既済事件のうち,所要審理期間(控訴審受理から終局まで)は,3月以内24%,6月以内48%,1年以内12%で,1年の期間内で93%が終局しています。

なお,「1回即結審67%」,「人証調べ実施6%」,「所要審理期間6ヵ月内72%」という統計的数値は,最近の民事控訴審における審理の迅速化に伴う,民事控訴審の事実上の"事後審化"傾向を暗に示唆しているようです。

民事控訴事件の終局区分の特徴

既済事件のうち,終局区分別にみると,判決57%,和解35%,取下6%,その他2%で,実に35%が和解で終局しています。

民事控訴事件の終局判決の特徴

上記終局判決のうち,控訴棄却73%,原判決取消26%,控訴却下0.4%,その他0.6%で,原判決取消(逆転勝訴)率に関するいわゆる"クォーターパー"の伝説に符合するようです。

(参考資料 最高裁「平成19年度司法統計年報・民事編」)

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