遺言書作成の際の注意点

遺言書を作成する場合,特に以下の3点について注意することが必要です。

⑴ 民法が定める方式に従って作成すること

民法が定める方式に従って作成されなければ,せっかく遺言書として作成しても,法的な保護を受けることができません。

よって,民法が定める方式に従って遺言書を作成することが何よりも重要です。

遺言書の方式違背が問題となるのは主に自筆証書遺言です。

自筆証書遺言に要求される方式は,全文,日付及び氏名を自書し,押印することです。

このように,自書が要求されるているので,ワープロ等により作成したら無効となります。

また,日付の記載についても,昭和41年7月吉日という記載を無効とするのが判例です。

⑵ 意味が分かるように明確に記載すること

せっかく遺言書を作成しておいても,その内容が特定できない場合には,執行することができず無効となりかねません。

遺言の意味内容が明確でない場合には,遺言者の意思を尊重して合理的にその趣旨を解釈すべきであるが,可能な限りこれを有効となるように解釈するというのが判例の立場ですが,裁判の結果有効になるとしても訴訟期間中は権利関係が確定せず,相続人を長期に不安定な立場においてしまうことになります。

⑶ 信頼のできる人間に保管を依頼すること

自筆証書遺言を作成し,タンスの奥底にしまっておいたような場合,遺言書の存在が分からなければ,効力を生じさせようがありません。

また,遺言公正証書を作成した場合でも,公証人は遺言者の死亡を知るとは限りません。

公正証書を作成し, 誰かに預けていた場合でも,その人が信頼できる人でなければ,隠匿,破棄されるおそれもあります。

遺言書を作成した場合,弁護士等,専門の法律家に保管を依頼するのがよいでしょう。


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