遺産と当事者を確定する
遺言書の有無と内容、戸籍による相続人の確認、預貯金・不動産・保険・証券・借金の調査を行います。生命保険などは受取人や契約内容によって遺産との関係が異なります。財産一覧には名義、取得経緯、評価資料、負債も記載します。
分割協議は共同相続人全員で行います。未成年者との利益相反、判断能力の問題、所在不明者がいる場合などは、そのまま署名を集めればよいとは限りません。特別代理人や財産管理等の手続きの必要性を確認します。
協議・調停・審判と実行
現物分割、代償分割、換価分割等を比較し、代償金の資金や不動産の評価、売却条件を整理します。合意内容は対象財産、取得者、支払期限などが分かる協議書にまとめ、預金払戻し・登記の手続きへつなげます。
協議がまとまらない場合は家庭裁判所の遺産分割調停を検討します。調停が不成立となった場合は原則として審判へ移ります。遺言の有効性や財産が遺産に含まれるかの争いは、別の訴訟が必要になる場合があります。
10年ルールと相続登記の義務
相続開始から10年経過後の分割では、特別受益・寄与分を原則考慮しないルールがあります。例外・経過措置があり、施行前の相続についても確認が必要です。10年で分割できなくなる、又は財産が自動的に誰かへ移るという意味ではありません。
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続で所有権を取得したことを知った日から原則3年以内です。施行前の相続で取得を既に知っている未登記不動産は原則2027年3月31日までが期限となります。遺産分割成立後の追加的な登記義務や、相続人申告登記の利用も確認しましょう。
相談前に整理すると役立つ資料
- 被相続人・相続人の戸籍、家族関係と死亡日のメモ
- 遺言書、保管や公証に関する資料
- 預金・証券・保険・不動産・借金の一覧と資料
- 贈与、介護、協議・調停、登記の経緯が分かる資料
経緯、希望する解決、相手方の主張を日付順にまとめると、争点を整理しやすくなります。資料がすべてそろう前でもご相談ください。裁判所や契約上の期限がある場合は、その書類と日付を先にお知らせください。
よくあるご質問
話し合い中なら相続登記の期限は止まりますか。
話し合い中というだけで当然に止まるわけではありません。相続人申告登記等の方法と、分割後の登記義務を確認します。
遺産分割をしない合意と相続放棄は同じですか。
同じではありません。相続放棄は家庭裁判所への申述が必要で、債務の扱いや期間も異なります。
資料が全部そろっていなくても相談できますか。
お手元の資料と経緯から、不足する情報と次の対応を整理します。期限が迫る書類がある場合は、その日付を先にお知らせください。
話し合い中なら請求期限は止まりますか。
話し合いだけで当然に止まるわけではありません。請求の種類、起算点、時効の猶予・更新等の要件を確認します。
根拠法令・公的資料
法令・制度の確認日:2026年10月11日。契約・相続・事故・訴訟の時期や経過措置、具体的な事情により適用が異なります。