賃金の時効と経過措置
2020年4月1日以降に支払期日が来る賃金請求権は、法律上5年に延長されましたが、当分の間は3年とする経過措置が適用されています。残業代も対象です。「現在すべて5年分を請求できる」とは説明できません。
各月の支払日ごとに時効を確認します。退職してから一括して期間が始まる制度ではありません。退職手当は原則5年であり、通常の賃金とは区別します。施行前の支払期日や、他の請求権は別に確認します。
催告・裁判手続き・承認
催告があった場合の6か月の完成猶予、裁判上の請求等、債務の承認など、時効に影響する制度があります。ただし内容・時期・到達や、次に必要な手続きを確認する必要があります。
内容証明郵便を送れば何度でも時効を延ばせるわけではありません。行政への相談や会社への問い合わせだけで当然に猶予・更新が生じるとも限りません。期限が迫る場合は、計算や資料収集の完了を待たず相談しましょう。
対象期間と資料を整理する
雇用期間、給与支払日、請求する月、勤務時間、既払額を一覧にします。会社の回答、支払約束、交渉記録なども保存します。いつ何を請求し、相手がどう応答したかが重要になることがあります。
未払額、遅延損害金、付加金などは、それぞれ要件と期間を確認します。請求額の計算と時効の管理を分けることで、古い月の請求を失うリスクに対応しやすくなります。
相談前に整理すると役立つ資料
- 雇用契約、労働条件通知書、就業規則、賃金規程
- 解雇・出向通知、退職合意書の案、会社とのやり取り
- 給与明細、勤怠・シフト、業務や入退館の記録
- 勤務・面談の経緯と、ご希望をまとめたメモ
経緯、希望する解決、相手方の主張を日付順にまとめると、争点を整理しやすくなります。資料がすべてそろう前でもご相談ください。裁判所や契約上の期限がある場合は、その書類と日付を先にお知らせください。
よくあるご質問
退職後3年以内なら在職中の全額を請求できますか。
各支払日から時効を確認するため、退職日だけでは判断できません。支払日と対象月を整理します。
内容証明を繰り返せば時効を延ばせますか。
催告による完成猶予には限界があります。繰り返し送るだけで期限が延び続けるわけではありません。
資料が全部そろっていなくても相談できますか。
お手元の資料と経緯から、不足する情報と次の対応を整理します。期限が迫る書類がある場合は、その日付を先にお知らせください。
話し合い中なら請求期限は止まりますか。
話し合いだけで当然に止まるわけではありません。請求の種類、起算点、時効の猶予・更新等の要件を確認します。
根拠法令・公的資料
法令・制度の確認日:2026年10月11日。契約・相続・事故・訴訟の時期や経過措置、具体的な事情により適用が異なります。