割増賃金
1 時間外労働の割増賃金
労働基準法32条は,1日の法定労働時間を8時間,1週間の法定労働時間を40時間と定め,労働基準法37条は,法定労働時間外の労働(以下「時間外労働」という)につき25%以上の割増率による割増賃金を加算した時間外手当の支払義務を課しています。
よって,月曜日9時間,火曜日8時間,水曜日8時間,木曜日9時間,金曜日9時間労働した場合,1日8時間以上労働した月曜日,木曜日,金曜日の各1時間合計3時間は,時間外労働となり,25%以上の割増率による割増賃金を加算した時間外手当。を請求することができます。
また,月曜日8時間,火曜日8時間,水曜日8時間,木曜日8時間,金曜日8時間,土曜日8時間労働した場合,1日のそれぞれの労働時間は8時間以内ですが,1週間の労働時間が48時間となり1週間の法定労働時間40時間を8時間超過するので,8時間は,時間外労働となり,25%以上の割増率による割増賃金を加算した時間外手当。を請求することができます(なお,上の例で,土曜日が法定休日にあたる場合には,以下の「休日労働時間の割増賃金」をご覧ください。)
* 一定の大企業においては,時間外労働時間及び休日労働時間の合計時間が1か月60時間を超えた場合においては,その超えた時間の労働については,50%以上の割増率による割増賃金を加算した割増賃金を支払わなければなりません(労働基準法37条1項)。
2 休日労働の割増賃金
労働基準法35条1項は,使用者は労働者に対し,毎週少なくとも一回の休日(法定休日)を与えなければならないと規定し,休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令は,使用者に対し,法定休日の労働(以下「休日労働」という)につき35%以上の割増率による割増賃金を加算した休日手当の支払義務を課しています。
3 深夜労働の割増賃金
労働基準法37条4項は,午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては,その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間の労働につき25%以上の割増率による割増賃金を加算した深夜手当の支払義務を課しています。